当社が解析に関わった研究成果が、国際科学雑誌「Cancer Gene Therapy」オンライン版に掲載されました。

タイトル:Pan-cancer Methylome Analysis for Cancer Diagnosis and Classification of Cancer Cell of Origin

https://www.nature.com/articles/s41417-021-00401-w

本研究では、DNA上のシトシンのうちの約450,000ヶ所のメチル化状態を網羅的に解析することにより、27種類の悪性腫瘍を同時に診断・鑑別可能なメチル化パネル [CACO (CAncer Cell-of-Origin) methylation panel] の作成に成功しました。

本研究では、人種・組織検体の保存法・DNAメチル化の検出手法によらず、さらに腫瘍内不均一性の影響を受けずに、悪性腫瘍の存在部位診断に用いることができることが示されました。また、血液中のcirculating tumor DNA(ctDNA)のメチル化状態からも、どの臓器由来の悪性腫瘍が存在するかを診断できる可能性が示されました。さらに、原発不明癌症例の血液検体からも原発臓器を同定できる可能性が示されました。

本研究の結果から、採血や尿検査などのリキッドバイオプシーを用いて、悪性腫瘍の存在部位を的確に識別可能な検診技術への発展が期待されます。また、原発不明癌の正確な原発巣診断に活用できる可能性があり、原発不明癌に対してより正確な治療を提供できる可能性が示唆されました。